【BMW R1200RT】
BMW渾身のスポーツツアラーR1200RTのペイント作業のご紹介。

僕が住んでいる横浜にも数年前にお洒落なディーラーが出来、何かと気になるBMW MOTORRAD。
ラインナップされている車両もなかなか興味深いものが多く
大人の満足心を満たす流石のモノ作りで着実に勢力を伸ばしている名門メーカーです。


そんな、BMW MOTORRADのR1200RTを大人好みのスタイリッシュペイントに染め上げるのが今回のオーダーです。
ホイールペイントにあたり、汚れの除去や足付け処理を施しますが、細かい箇所に頑固にこびり付いたピッチ汚れ等は
ウェットブラストが効果的!すっきり除去して適度な足付け効果も得られる仕上がりです。
今回はちょっと遠くからのご依頼なので、陸送屋さん経由での搬入です。
無事到着!お疲れ様です。
ドイツ国旗の(赤/黒/金)をモチーフに、オレンジ/ブラック/ゴールドのペイント色でデザインした塗り分け仕上げ。
サイドパネルにペイントされたBayerische Motoren Warkeとは、ドイツ語で「バイエルンのエンジン工場」と言う意味らしく、
その頭文字を取ったアルファベットがBMWになるのです。(僕は初めて知りました)
そんなバイエルンをお題にバイエルン地方の地図と菱形模様の州旗を組み合わせ、新たにデザインを起こしたオリジナルロゴ。
純正デザインにアレンジを加えたR1200RTのロゴにタイヤ/オイルメーカーのロゴもペイント仕上げです。
テールカウルとパニアケースには、国旗とBMWのマークをワンポイントでペイント。

本来は無塗装のフロント周りの樹脂パーツも、下地の段階で質感を揃えてから塗装しているので、テカッとピカピカの仕上がり。

オーナーさんと多くのエネルギーを費やして構築した塗り分けのデザイン。
スタイリッシュでありながら、戦国武将の愛馬の如く重厚さも兼ね備えた1台に仕上がったと思います。

ちなみにこの車両のオーナーさん普段は黒のアルファロメオに乗られております。
僕等が目指した方向性、お分かり頂けますか?

うるし塗りの様な漆黒ブラックとスピード感溢れるメタリックオレンジ/ゴールドメタリックペイント!いいバランスで大人だと思います。

仕上げの磨き作業中。パーツ点数が多く色もブラック部が多いペイントパターンです。
一つずつ丁寧にポリッシングしていきましょう。
ホイールが塗り上がりました。今回のコンセプトに沿った雰囲気に仕上がったと思います。
とあるパーツにBMW Motorradのロゴをペイントする為に構成を考えております。
文字の下、横に伸びる白いラインはこのパーツのエッジに沿わせて目安用に貼りつけたラインテープです。
通常の文字列のままだと左の画像の様にパーツのライン形状に対して真ん中と左右でバランスが崩れるので、
文字の配列に若干手を加えて右の画像の様にライン上に文字列が綺麗に並ぶ様に構成し直します。

「魂は細部に宿る

ノーマルでペイント済みのパーツ達。
キズ等のダメージが全くなければそのまま塗装下地として利用可能な品ですが、こちらも日常使用での
軽いダメージが見受けられるのでキチンと手を掛けて直します。
それぞれの品に合わせた修正や下地処理を施していきます。
地味な作業の連続ですが仕上がりに大きく影響するので、塗装前の下地作業はとても重要です。
これだけ多くのパーツを正確にキズ付けず、元通りに組み付けるには、記憶以外に何かしらの方法が必要だとおもいませんか?
しかも組み付け作業は数週間後です。
外した順番や建てつけのクセ、ネジの付き方等を記録して組み付ける時の為にお手製のマニュアルを作ってます。
僕等にとっては、塗り上がったモノを組み付ける時が本番なのです。
車両預かりでのデザイン系ペイントオーダーなので、まずは作業対象パーツの取り外し作業から。
フェンダーを外すのにホイール外さないといけないなんて、KAWASAKIみたいでやってくれます。
しかも、必要な工具が22のヘックスなんて!いきつけの工具屋にGO!ですよ。
この先の取り外し作業が容易では無い事を予感させてくれて一瞬ゾクッとします(苦笑)
同じ1200ccの排気量を持ち、生い立ちも同じツアラーのビューエルS3と並べてみました。
R1200RTは
ビックスポーツツアラーですね!
この大柄な車体に見合わない楽な取り回しに、時にはレプリカをカモれる位にヒラヒラと走ると言う話にも納得です。
黙々とパーツの取り外し中。
本来は無塗装のフロント周り等の樹脂パーツも今回は質感を揃えて同色ペイントへ。
日常使用でのダメージも、その品に合った修理方法で見違える程美しく生まれ変わります。
修正等の作業が終わったら、下地塗装を施し乾燥室へ。
今回はホイールも塗装する1台丸々のフルペイントです。
この全てのパーツを一つ一つ、慎重確実に組み付ければ。
無事完成です!